先日1月27日、mgn knowledgeと連動したオンラインイベント「初心者Git勉強&質問会」を開催いたしました。
当日は、3時間にわたって、参加者それぞれがmgn knowledgeの「Git講座 その1〜3」を視聴しながら、実際にSourceTreeを操作して学んでいただきました。学習の中でわからないこと・つまづいたことがあれば、随時スタッフに質問ができ、解決してから次のステップに進めるようにしました。
この記事では、具体的にどのような進行や組み立てでイベントを実施したのか、参加者の皆様からの反応がどうだったのか、についてお伝えしたいと思います。
このイベントで目指したこと
今回のイベントでは、Gitを学びたいけれども、時間が取れなかったり、独学でつまづいてしまって続かなかった方に、
- 学ぶ時間を確保してもらい、その時間に集中して勉強を進めてもらうこと
- 参加者それぞれに、自身のペースで学習を進めてもらうこと
- つまづいた時にすぐ質問できる相手を用意して、分からないからと諦めずに継続してもらうこと
を目指して計画・設計しました。
Gitを学ぶことのできる教材は有料・無料の別を問わず世の中に溢れており、誰もがそれらを使って学習することができます。そのような状況にあっても、「勉強したいとは思っているが、できていない」人がいるのは、時間がないから、そしてつまづいて自力で解決できない時に質問できる相手がいないからだと考えました。そこで、このイベントに参加することで、学習時間を確保し、つまづいた時には質問できるという環境を手に入れてもらいました。
そして、「講義」の形は取りませんでした。特にオンライン開催では、一斉に講義を行った時に生じる参加者それぞれの理解度や進度の差を吸収することが難しいため、参加者にはmgn knowledgeのGitコースを利用して、各自のペースで学習を進めてもらいました。そのため、このイベントのプログラムの大部分を、「自習してもらう」時間で構成しました。
イベントの構成・運営のポイントについて
イベント概要
イベントの概要は下記の通りです。(詳細はconnpassのイベントページをご覧ください。)
- 定員 : 25名
- 実施時間 : 3時間
- 利用したオンラインビデオ通話ツール : zoom
定員は、イベントを運営する株式会社mgnのメンバー8名で、質問を受け付けたり諸々のサポートをすることを鑑みて、多すぎない人数設定にしています。
また、「Git講座 その1〜3」の再生時間がカバーでき、かつ参加に無理のない時間設定を検討した結果、トータルで3時間の開催時間となりました。
イベント当日のタイムテーブルです。「Gitコース勉強会①〜③」が自習タイム、それぞれの後には、勉強会の時間内に出た質問を全員に共有する「勉強会①〜③で出た質問と回答の共有」の時間を設けました。
時間 | プログラム |
---|---|
15:00 – 15:10 | オープニング、mgn knowledgeの説明 |
15:10 – 15:15 | 講師挨拶 |
15:15 – 16:00 | mgn knowledge Gitコース勉強会①(質問随時受付) |
16:00 – 16:15 | 勉強会①で出た質問と回答の共有&アイスタイム |
16:15 – 17:00 | mgn knowledge Gitコース勉強会②(質問随時受付) |
17:00 – 17:15 | 勉強会②で出た質問と回答の共有 |
17:15 – 17:45 | mgn knowledge Gitコース勉強会③(質問随時受付) |
17:45 – 17:55 | 勉強会③で出た質問と回答の共有 |
17:55 – 18:00 | クロージング |
運営のポイント① : 自社の教材を活用した、自習スタイルの勉強会
「このイベントで目指したこと」でも述べましたが、このイベントでは講義をメインにはせず、参加者にはmgn knowledgeを視聴しながら学習を進めてもらう、という形式を採用しました。
一方的に行う講義では、複数人いる参加者それぞれの理解度に合わせて進行するのが難しく、ある特定の層に合わせて進めるしかない、というのが現実だと思います。オフラインの勉強会の場合は、講師以外にサポートスタッフを配置して随時質問を受け付けるなどの方法で、ある程度補うこともできますが、オンラインでは講義中の個別対応は一層困難です。
しかし、用意した教材を各自のペースで進めるという自習形式なら、ゆっくり噛み砕いて理解したい人にも、飛ばしてどんどん進めたい人にも、運営側が特別なオペレーションをすることなく進行できます。講義中に質問対応をするため講義を一時中断したり、あるいは質問している間に講義が先に進んでしまって分からなくなる、といった心配も一切ありません。講義を中断することがないので、質問したい人が気軽に質問できることもメリットです。
一方、自習の時間が長すぎると集中力やモチベーションを保つことが難しくなるため、自習タイムは最大45分で区切り、集中する時間と気を緩める時間のメリハリをつけています。
運営のポイント② : 部屋割り
最初のオープニングで、mgn knowledgeの説明やこのイベントでの勉強の進め方、質問の仕方などを説明し、またGit講座1〜3の講師から挨拶をしたあとは、早速それぞれの「自習タイム」に入ってもらいました。
参加者の中にも、学習に集中したい人、時々雑談を交えながらリラックスして学習したい人と様々いるであろうこと、また質問は他の参加者の学習を妨げずに個別に受け付けたかったこともあり、zoomのブレイクアウトルームを利用して複数の部屋を設けました。
- メインルーム(雑談部屋) : 集合スペース。自習タイム中は雑談OKのロビー。
- 集中部屋 : 静かに学習に集中したい人のための部屋。雑談NG。
- 質問部屋1、2 : 個別に質問を受け付けるための部屋。
- 予備ルーム : 名前の通り予備の部屋。今回のイベントでは、とある作業について事前のレクチャーが必要という判断で、冒頭10分ほどの講義に使用しました。
ほとんどの方が集中部屋に移動し、各自のペースでコースを進めていました。メインルーム(雑談部屋)に残った方も数名おり、ほとんど無言で自習していましたが、ふとした疑問を気軽にぶつけたり、他の方の質問についてスタッフで相談していたところで「私も同じところで引っかかりました!」といった反応をくれたりと、それぞれのスタイルで学習を進めてもらえたという実感があります。
事後アンケートでは、
集中部屋があって黙々と作業ができるのがよかった
自習室と雑談室が分かれていて、塾のようで楽しかった
オンラインなのに図書館やコミュニティーセンターに来たような不思議な感覚
といった感想をいただきました。PCの画面を挟んだ、オンライン勉強会の「バーチャル感」を和らげ、より現実に近い形でイベントを実施できたのではないかと思っています。
運営のポイント③ : 質問受付対応
質問の受付は、Googleスプレッドシートで作成した「順番待ちリスト」に、名前と質問の概要を入力してもらい、スタッフがその内容を見て、質問対応者および部屋(質問部屋1、2)に割り振る、というフローで対応しました。
こうすることで、参加者が「どのタイミングで声をかけて良いか分からない」と躊躇することなく質問ができます。また、質問をしたい参加者が同時に複数人いても、順番に対応者に割り振っていけば良いため、スタッフ側の交通整理が容易で、スムーズに行えました。
スタッフが事前に質問を把握できるため、すでに他の方から出ていた質問はその場で即答することも可能になりました。
運営のポイント④ : 質問と回答の全員への共有
各自習タイムの直後には、全員にメインルームに戻ってもらい、自習タイムに出た質問とその回答を共有する時間を設けました。
同じ箇所でつまづいていたけれども質問できなかった、あるいは自力で解決はできたが補足説明も併せて聞くことで理解が深まった、他の人が同じところで疑問を持ったことを知ることができた、という効果を狙いました。
また、他の参加者がどのような質問をしているかを知り、「こんなに小さな疑問でも質問して良いのだ」と感じてもらって、質問をすることへのハードルを下げるという狙いもありました。
実際に、事後アンケートで
他の方の質問を共有してもらえて良かった
一番質問したかった内容を質問している方がおり、 そのおかげで問題が一つ解決した
みんな同じ所で苦戦していたんだ、と安心した
という感想をいただいています。
運営のポイント⑤ : 同じ時間を共有し、共に学習しているという雰囲気作り
同じ会場に集まって参加者全体を見渡せるオフラインのイベントではない分、参加者とスタッフとの間のコミュニケーションや、参加者同士が「一緒に勉強している」という感覚を持ってもらうことを意識して、その仕掛けを用意しました。
自己紹介
オープニングで、参加者とスタッフ全員が自己紹介をする時間を設けました。
このイベント中には、参加者同士がグループワークをしたり、懇親会を行ったりする時間は設けていなかったので、参加者同士で顔と名前を覚える必要はありませんでした。しかし、「自分以外に一緒に頑張る人がいる」ことを意識してもらうために、あえて時間をとって、自己紹介をしてもらいました。
進捗リスト
Googleスプレッドシートを利用して「進捗リスト」を参加者全員に共有し、それぞれの参加者が自分の進捗を記録することで、他の参加者がどこまで進んだか、他の人と比べて自分が今どこにいるかをひと目で把握することができるようにしました。
スタッフにとっては、参加者全体の進度を把握することができ、多くの人がつまっているところはどこか、早く終わって次に進みたい人がいないか、など、必要なサポートを考えるヒントにもなります。
アイスタイム
mgn knowledgeの運営をしている株式会社mgnでは、自社主催のイベントを開催する際には必ず「参加者とスタッフみんなでアイスを食べる」という企画を用意しています。今回のイベントでも、休憩を兼ねて「アイスタイム」を用意し、記念撮影(zoomのギャラリービューのスクリーンショット)を行いました。
ほんの少しの時間ですが、「アイス」という共通の話題で雑談が生まれたり、次の自習タイムに向けて一息つける時間になりました。
参加者からの反応や、本イベントの成果
14名の参加者が事後アンケートにご協力くださいました。
その全員から、イベントを総合的に見て「大変満足」「満足」という回答をいただきました。
ここまででご紹介した以外で、回答を抜粋でご紹介いたします。
時間割があるのがありがたかったです。リアルタイムの講座は追いつくのが大変で、録画だと自分のペースでやれて焦らず安心できました
「動画で学ぶ」スタイル、とても良かったです。セミナーを受けても、実際に手を動かさないことには身につかないので「知る」「やる」が同じ時間でできるのは良いなと思いました。また、動画だと「倍速で聞く」「止めて作業する」「もう一度確認する」「画面を落ち着いてみられる」というメリットがあるなと思いました。
勉強しなきゃと思いつつ面倒で着手できないなか、よい機会でした。自習の形式ながら時間が決まってて、みんなで一斉にやる効果なのかな?と思いました。すごいですね
講座もセクションが区切られていて、勉強会自体も休憩を挟んでいただいてたので全く飽きずに進めました!3時間があっという間でした…
多くの方が「Git講座 その2」までをイベント中に終えられ、中には「Git講座 その3」まで進んだり、あるいはその先の「リモートリポジトリ操作コース」まで進んでいる方もいらっしゃいました。
また、このイベントの後もmgn knowledgeでの学習を続けてくださって、「リモートリポジトリ操作コース」内の課題である「プルリクエストを送る」を実施し、成功された方が2名いらっしゃいました。
イベントを企画・実施した運営スタッフとしては、ご参加くださった方の学習の一助になれたことは何よりも嬉しいことです。
最後に
イベントにご参加くださったみなさまには、改めてお礼を申し上げます。Gitの学習を、ほんの少しでもお手伝いできたのであれば、それ以上のことはありません。
今回のイベントのような、特定の技術を学ぶためのオンライン勉強会の実施を検討されている方、あるいはすでに実施しているが方法に悩んでいる方には、この記事を参考にしていただければ幸いです。
また、株式会社mgnでは、mgn knowledgeのような知識共有、従業員教育に役立つサイトの制作や、様々なタイプのオンラインイベントのコンサルティング・運営サポートを行っております。この記事をお読みになって、ご興味を持っていただけたのであれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。